Process Capability Analysis 操作マニュアル

「工程能力を調べて」と言われたけれど、何を入れればよいのか、どの数字を見ればよいのか分からない方に向けたマニュアルです。

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1.工程能力とは?

同じものを作っても、測るたびに重さや長さは少しずつ違います。この違いを「ばらつき」と考えます。

一方、「98g以上102g以下」「49.8mm以上50.2mm以下」のように、守る範囲が決められていることがあります。これが規格です。

工程能力とは、今の作り方で出てくる値のばらつきが、決められた規格の範囲に対してどのくらいの余裕を持っているように見えるかを、数字で確認する考え方です。

上司から「工程能力を調べて」と言われたら、まず①実際に測った数字、②LSL(規格下限)、③USL(規格上限)を確認します。この3つが分かれば、このアプリで確認を始められます。

2.最初に覚える言葉

言葉かんたんな意味
LSL(規格下限)これより小さくなると、規格の範囲から外れる境目です。
USL(規格上限)これより大きくなると、規格の範囲から外れる境目です。
Mean(平均)測定値の中心がどこにあるかを見る数字です。
StDev(標準偏差)測定値が平均のまわりにどのくらい散らばっているかを表す数字です。
Subgroup(サブグループ/データのまとまり)同じ条件で測った値をひとまとめにして扱うための区分です。

3.何を入力する?

Title

結果画像につける名前です。何の測定か分かる名前を入力できます。

Unit

測定単位です。全長ならmm、重量ならgなどです。空欄でも計算できます。

LSL(規格下限) / USL(規格上限)

図面、規格書、作業標準などで決められている値を入力します。このアプリが規格値を推測することはありません。

Measurement(測定値)

実際に測った数字を入力します。Excelから1列または2列を貼り付けられます。2行以上、最大2000行です。

4.Subgroup(サブグループ/データのまとまり)はどうする?

たとえば「午前」「午後」や「設備A」「設備B」のように、同じ条件の測定値を分けて見たいときに使います。

使わない場合はSubgroup列を全部空欄にします。使う場合は使用するすべての測定行に名前を入れます。このアプリでは2~5種類です。

Subgroup(サブグループ)を使うかどうかで、Cp・CpkとPp・Ppkが表す「ばらつき」の見方が変わります。

5.Cp・Cpk・Pp・Ppkは、どれを見ればいい?

ここが一番混乱しやすいところです。4つとも規格とばらつきの関係を見る数字ですが、「どのばらつきを使うか」が違います。

数字かんたんな説明
CpWithin(グループ内のばらつき)と規格の幅を比べます。平均が中央からずれているかは見ません。
CpkWithin(グループ内のばらつき)を使い、平均がLSL(規格下限)・USL(規格上限)のどちらに近いかも見ます。
PpOverall(全体のばらつき)と規格の幅を比べます。
PpkOverall(全体のばらつき)を使い、平均がLSL(規格下限)・USL(規格上限)のどちらに近いかも見ます。

「どれを見る?」を簡単に整理

Subgroup(サブグループ)なしなら、全体のばらつきを見るPp・Ppkが意味を持ちます。Subgroup(サブグループ)ありなら、同じ条件の中のばらつきを見るCp・Cpkが意味を持ちます。アプリは4つすべて計算しますが、まずこの分け方で考えると分かりやすくなります。

一般的な目安では、1.0は「計算上のばらつき幅と規格幅が同じくらい」の位置です。1.0を下回ると、計算上のばらつき幅が規格幅より大きくなります。1.33などを社内の目安にする場合もありますが、基準は会社や業務によって異なります。このアプリが合否を決めるものではありません。

CpとCpk、またはPpとPpkの差が大きい場合は、ばらつきだけでなく、平均が規格の片側へ寄っていることも考えられます。

6.数字が出たら、まずここを見る

  1. Mean(平均):測定値の中心がどこにあるか。
  2. StDev (Overall)(全体のばらつき)とStDev (Within)(グループ内のばらつき):値が大きいほど測定値の広がりが大きい。
  3. Subgroup(サブグループ)なしならPp・Ppk、ありならCp・Cpkを中心に見る。
  4. LSL(規格下限)・USL(規格上限)とヒストグラムの位置関係を見る。

7.グラフはこう見る

Histogram(ヒストグラム/測定値を棒にまとめたグラフ)

青い棒は、測定値がどの範囲に何個あるかを表します。高い棒ほど、その範囲の測定値が多かったという意味です。

LSL(規格下限)・USL(規格上限)

縦線が規格の境目です。LSL(規格下限)より左、またはUSL(規格上限)より右に棒があれば、実際の測定値に規格外の値が含まれています。

Overall normal(全体の正規分布曲線/全測定値から計算した曲線)

赤い曲線です。実際の測定値の棒ではなく、平均と全体のばらつきから計算した「分布の形」です。

Within normal(グループ内の正規分布曲線/同じ条件内のばらつきから計算した曲線)

緑の破線です。Subgroup(サブグループ)がある場合はグループ内のばらつきから、ない場合は隣り合う測定値の差から推定したばらつきから計算します。

棒が規格内だからといって、将来も必ず規格内になるとは限りません。曲線も実際の件数ではなく計算上の形です。実測値、グラフ、Cp・Cpk・Pp・Ppkを合わせて確認します。

8.「工程能力を調べて」と言われた人の例

たとえば上司から「この部品の全長の工程能力を調べて」と言われたとします。

  1. 実際に測った全長のデータを集めます。
  2. 図面などからLSL(規格下限)とUSL(規格上限)を確認します。
  3. Measurement(測定値)へデータを貼り付けます。
  4. 時間帯や設備などで分けて見る必要があればSubgroup(サブグループ)を入力します。
  5. Create Graphを押し、Mean、Pp/PpkまたはCp/Cpk、グラフを確認します。

「どの数字を伝えればいい?」となったら、まずSubgroup(サブグループ)があるかを確認します。なしならPp・Ppk、ありならCp・Cpkを中心に整理します。

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9.このアプリの設定上の制限

項目制限・動き
Measurement(測定値)2行以上、最大2000行です。
Subgroup(サブグループ)使わない場合は全行空欄。使う場合は2~5種類で、使用行を途中だけ空欄にはできません。
LSL(規格下限) / USL(規格上限)両方必要です。LSL(規格下限)はUSL(規格上限)より小さくします。
Histogram(ヒストグラム)棒の数は自動計算され、5~30の範囲です。利用者が直接変更する設定はありません。
Within(グループ内のばらつき)Subgroup(サブグループ)の有無やデータのまとまり方に応じて計算方法が変わります。

10.エラーになったとき

11.結果を保存・コピーする

Create Graphで結果を作ったあと、Save ResultでPNG画像として保存できます。Copy ResultではPNG画像をクリップボードへコピーします。ブラウザの権限などでコピーできない場合はSave Resultを使います。

12.最後に、ここだけ確認

①何を測ったデータか、②LSL(規格下限)とUSL(規格上限)はいくつか、③Subgroup(サブグループ)があるか、を確認します。

その後、平均、ばらつき、ヒストグラムの棒とLSL(規格下限)・USL(規格上限)の位置、そしてSubgroup(サブグループ)なしならPp・Ppk、ありならCp・Cpkを確認します。

数字だけで製品の合否や工程の良し悪しが自動的に決まるわけではありません。測定方法、測定器、データを取った期間、工程の状態なども関係します。

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